電磁気学の勉強法
電磁気の勉強方法についてです.これは電磁気学を工学的に勉強するときの流れになると思います.
まず,工学向けに物理現象を詳しく書いてある本でどういう現象が生じているのか把握することです.そして,簡単な問題を解けるようになると良いと思います.
たとえば,コロナ社の電気磁気学の様に最初はベクトル解析を用いないで説明してある本を読みます.そして,ベクトル解析を用いなくても解ける問題をきちんと解けるようにします.
電界で言えば,三重同心球殻の問題や,同心球で内球を接地して外殻に電荷を与えた問題です.
磁界に関する問題では各種のインダクタンスの計算を自分で問題を考えて解けるようにします.
おそらく,以上のことは学校の講義で習っていると思います.
ただ,応用的な問題等もありますので,ここでしっかりと復習しましょう.
応用的な問題として個人的に良い問題だと思った物を以下にあげます.
・四つの導体板を等間隔に並べ,両端の導体板を接地させる.そして間の二つの導体板にそれぞれ電荷を与えたときの電位差を求めよ.
・半径R内に一様に電荷が分布しているときの静電エネルギーを求めよ.
・界面分極に関する問題で,異種の物質間の境界面に現れる電荷密度を計算する.
・誘電体表面から距離rだけ離れておかれた電子に働く力を求めよ.(電気影像法+誘電体の問題です.知らないと間違いなく解けません)
そして,その後でベクトル解析を用いてマクスウェル方程式を導出できるようにします.
たとえばガウスの法則から電界と電荷の関係を積分系で表し,それをガウスの定理を用いて微分系に直します.この辺りは理学部向けの本も参考になると思います.この辺りは編入試験にもあまりでない範囲ですが,電磁波の説明や波動方程式など,知っておいた方がよい事が多くあります.他には,詳しく勉強する必要な無いと思いますが,表皮効果や渦電流などもすこし勉強した方が良いでしょう.この辺りは電気系学科を受験しなければ試験には必要ないと思います.
お薦めの参考書として,
コロナ社,石井良博,電気磁気学,Amazon→http://www.amazon.co.jp/dp/4339007250
岩波書店,砂川重信,物理テキストシリーズ4 電磁気学,Amazon→http://www.amazon.co.jp/dp/4000077449
があります.先ほどあげた界面分極の問題などは電気材料の本が参考になると思います.